Oさんとの思い出
久しぶりに、長年在宅医療の現場で働いていた頃のことを思い出しました。当時、とある大病院を開拓して間もなく、いつもお会いしていた呼吸器内科の先生からOさんを退院させたいのでよろしくと連絡が入ってきました。Oさんは大変人懐っこい方で、院内でもその人柄のせいか多くの患者仲間がすぐにできそれなりに楽しんでいるように見えました。ただ、まだこの頃の自分とOさんとの関係は、先生から依頼されて来た業者という感じで、正直、この若造に俺の何が分かるのかとでもいうような間柄だったような気がしていました。Oさんは、退院後すぐに生活保護が受けられることにはなっていましたが、用意されたアパートには満足のいく寝具なども少なく、冬もこれからという時にさすがに困っていました。その時、自分には何ができるだろうと考え「そうだ、実家に新品のお客様用の布団があるからもらってくるよ。」Oさんにそう伝え、布団を届けてからが劇的に関係が変わってきたのを覚えてます。それからのことは長くなるので省きますが、以降、高齢者の方を訪問する時は自分の親と思って素直な子供のような気持ちで接してきました。いつの間にか各地にお父さん、お母さんができ、定期訪問の度に大変喜んでもらえるようになり、当時、現場の仕事ぶりを見に同行していた社長から「本当にいい仕事してるね。大谷さんのやり方を他のメンバーにも伝えて欲しい。」と言われました。その1、2年後に以前の上司や先輩を含めたメンバーの上に立つ課長職に抜擢。Oさんとの関係構築がきっかけとなり、今の自分に何ができるのか全力で尽力するようになり、現在へとつながっているような気がします。その後、東京支店のマネージャーになってからも、患者様だけでなく気難しい先生方とも良い関係ができるようになったのはOさんのお陰かもしれません。長文失礼しました。
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